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万代・天明町・沼垂 エリア

マチの環境・防災調査

立地把握と調査方法
  • 万代・天明町・沼垂 エリアの環境・防災の調査分析をする事により、見えてくる町づくりの発想・提案・改善を探ります。​

  • 万代・天明町・沼垂 エリアの人の流れ・消費者動向の調査

  • 空き家状況の把握

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住民の自主的防災意識の限界

地域内の空き家増加に紐づく災害として建物火災の増加が懸念されています。しかし、昨年度の研究によってそういった意識とは裏腹に、空き家増加と建物火災の相関は弱く、一方で放火との相関があることが分かりました。

画像右下の図は新潟市のオープンデータを基に相関分析を行ったものです。ここからは空き家と建物火災には相関がないことが分かります。さらに、人口減少に伴う放火の増加も示しています。

右の2つの散布図は空き家数を10件以上と未満に分け、放火件数をプロットしたのです。ここからは放火件数と空き家の強い相関が分かりました。

地域課題である放火は、建物火災とは異なり外的要因であるため、住民の自主的意識のみでは防災の限界があります。

このようなことから、本年度は天明町内の放火を発生させることを減らすことに向けた取り組みとして「減災アート」という活動を行いました。ここでは、減災アートの一環で行なった、天明町内で放火を引き起こす要因自体を発見し解決に繋げるための調査・分析について紹介します。

空き家と10件以上の放火件数
空き家と10件未満の放火件数

※出典:井村・小林・渡邉(2018)「オープンデータ流通環境の整備に向けた一考察 ~天明町をケーススタディとして~ 」

どらも強い相関を示した

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住みやすいマチの未来を探る

空家が増える

と建物火災が増える

この図は、中央区の小地域における常住者比率を示したマップです。該当する常住者は、5年以上その地域に住んでいることが条件になっております。

 

データをみてみると、天明町の総数に対する常住者の比率が80%を超えている実態が確認されます。換言すると、天明町における約8割の人が、5年前以前から住み続けている常住者ということです。

 

その一方で、他の地域との比較では、特に万代・駅周辺エリア、新潟駅南側のエリアにおける常住者の低い比率がみられるため、天明町における住民の流動性(入れ替わり)が低い実態を確認することができます。

 

このようなデータ分析から、天明町は多くの常住者から構成された、住み続ける魅力をもったエリア(地域特性)であることが推察されます。

 

こうした魅力の一方で、常住者による住民間の強いつながりは、地域の自治活動を盤石なものにすると同時に、移住者への弊害(排他性)につながることも少なくありません。

 

よって、このエリアにおけるトリガーは、新旧住民における「自治活動の継承」にあり、そのためには「世代間の交流」が不可欠であると考えます。

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場所に基づく防犯理論の

考察から得られた3要素

この図はその場所における防犯性の程度及び防犯性を高めることに向けた理論である場所に基づく防犯理論を整理した図です。

ここから、その場所の防犯性は接近性・監視性・領域性の3要素に強く関係しており、これを高めることが防犯性を高めるうえで重要であることが分かりました。

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災害リスクの解決手法

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減災アート

平成25年に災害対策基本法の改正によって、地域コミュニティにおける共助を通じた防災活動の推進を目的に、「地区防災計画制度」が新たに創設されました。この制度変更によって、地域の防災活動の担い手は、「行政」から「住民」に委ねられることになり、地域の防災対策を「住み手」が考える時代が到来したのです。災害リスクという地域の課題を、住み手が担い対処していくためには、自主防災という意識を地域に普及させる仕組みがトリガーになります。

 

これを受けて関谷研究室は、地域課題をデザインの力で付加価値に変換し、地域課題の解決(災害リスクの減少)に導く活動の成果を「減殺アート」と名付け、水と土の芸術祭において試験的な実践をおこないました。

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放火の危険性が高い場所を探る

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災害リスクの可視化

防犯理論「PBCP」をもとに、放火という犯罪の発生確率を高める要素を、「接近性」「監視性」「領域性」の3つの観点から6つに整理しました。この6種の要素と天明町の地域情報(道路・土地・建物など)を重ねて分析した結果、最も犯罪確率の高い立地性が抽出されました。

 

その一方で、関谷研究室が実施した携帯アプリを使った空き家調査の結果を、カーネル密度分析によるマッピングを試み、GISを活用した天明町の地理データを重ねたところ、空き家が集積しているエリアと、犯罪確率が高いエリアとの一致が確認されました。

 

地域データの分析からは、空き家と建物火災における「不」の相関性が確認されましたが、放火危険性の高い場所という観点からの分析では、空き家と放火の相関性は「正(ある)」になる発見をいたしました。

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